【士業さんとの連携:弁護士編②】

前回に引き続き・・・

大前提として弁護士の先生は紛争、事件において依頼人の法的に正当に保護されるべき利益の模索
と係争解決に注力されます。
なので、その関連での売却に関してはご指名頂いた当社のような不動産業者が実務を担当します。

売却というのは皆さんが思っているよりも、人によっては大変な作業を伴う場合があります。
先ずは(本当にその物件の所有者か?単独所有か?取得経緯は?)を確認する必要があり、
一般的には謄本と識別情報(昔の権利書)、印鑑証明書、固定資産税等課税通知書、免許証等で
整合性を確認します。

購入時の書類をキチンと保有していれば全く問題は無いのですが、相続の場合は要注意。

2021年現在では相続登記は義務付けられていません。
(今年の不動産登記法改正で2024年から義務化の流れとなりました)
例えば祖父からの土地を父が相続して、父が亡くなった際に母親と娘がそれぞれ1/2を相続した。
その後母親が亡くなって、母親の持ち分1/2を娘が相続した。

世間ではよくあるお話で、その娘が1/2+1/2=1 単独所有者である事は(想像は)つきます。
ただ、それはあくまで想像であり具現化、立証する為には相続の都度、登記を入れれば良いのですが、
年代が古い方々こそ未登記のケースが多く見られます。

その場合に改めて売却の為に売主たる立場を立証するのに登記が必要ですが、そこで大事なのが
遺産分割協議書です。

要は・・亡くなった人の相続人は全員でこれだけだよね?で、故人の資産をこういう風に分けようね。
といった書面を作り、相続人全員が署名実印、印鑑証明書添付で各自原本を保有します。
(かなりざっくりとした説明です)

この遺産分割協議書は基本的に故人の出生時からの戸籍に沿って相続人を特定するので、後日相続人の間で
紛争が起きたり、はたまた想定外の相続人発生を防ぐ意味合いもあります。
即ち、相続人全員が(この土地の所有権は○○に移す)事に同意している書面です。
この原本を法務局に添付する必要があるのですが・・・

極稀にね・・あるんです。遺産分割協議書が無い!って事が。

無い!には2パターンあって、①最初から作成していない②作成したけど売主の手元に無い、の何れか。

①の場合は改めて弁護士、司法書士など入れて最初の相続から遡って作成する必要があり、みんな元気で生存してれば良いけど、高齢の場合は相続人自体が亡くなって代替わりしてたりして・・・結構な作業になる訳です。

②の場合は他の相続人さんに(書類あります?原本返すので少しの間だけ貸してくれない?)で、相手が了承してくれれば良いけど・・・疎遠だったり、仲が悪くなってたり、貸し出しに不安を抱いたり、でスムーズにいかない場合もあり、そのままだと売れない。

その場合、どうするか?弁護士先生は冒頭言った通り、係争、紛争の解決がお仕事なので売却における必要書類の確保においては微妙に受任外事項となる。お金のある方はここで新たな相談として別途報酬で・・というのもアリだが当社の場合は私が動く。

気乗りしない相手方(他の相続人)が例え地方だろうが、仲が悪かろうが、出向いてその必要性を丁寧に且つ十分な説明をして借用依頼をする。
1回でダメな場合もある。
過去最大に苦戦したのは長野に8回出向いてようやく借りられたケースがある。
ホントにホントにダメな時は他の手もあるが、それは新たな費用と何せ時間が掛かるので避けたい。

ここで必要なのが誠意と説明の判り易さ。

人間、自分が理解と納得出来ない事には基本的に協力心理は働かないし、嫌な奴の頼み事も敬遠する。
だからこそ、上手く話せない売主、又は仲の悪い相続人への依頼を売主に代わって私が行う。

これも仲介業務の範疇、下世話だが仲介手数料に含んだ業務として場合によっては割に合わないケースもあるが、当社は基本的にそう考えている。

大手や巷間では(ただ売ればいい。面倒なのは見送り)と考え、そこまでやらない業者は多いと思うが、
こういった事も含めて対応処理する当社の姿勢が士業の方から多く依頼される理由の一つでもある。と思う。

更に下世話だが、このように関係者と交渉している内に新たに売却や購入のご相談が発生する事も多々ある。
そういった場合、売主との利益相反にならない別件であれば基本的には喜んで相談に乗らせて頂いてます。

少なくともその方は当初私を疑義敵対と見ていたのが、友好信頼へと見方を変えて下さった大切なお客様だから。