土地の売却時は現在ほとんどのケースが実測売買です。(一部除く)
実測とは物件の隣接地所有者と境界立合確認書を作成して、
境界点を確定する事。(点)が決まると境界(線)も決まります。

ココで問題になるのが境界線を越境又は境界線にまたがってる
塀などの存在。
キチンとした仲介の場合は大体下記のパターンで対応します。

①隣地の建物主要構造物(屋根、下屋など簡単に撤去出来ないもの)
越境してるからと言って即座に撤去は出来ません。
でも、将来越境を追認して時効取得などされないように買主さんに
対しての保全も必要です。
なので、この場合は隣地の方から覚書や同意書(呼び方は任意)を
取得しておきますが大切なのは以下の内容を明記する事です。
・隣地の建物が現在越境している事を認める内容
・隣地の方が将来建物の改築や解体の際、隣地の費用で越境部分を
 撤去して貰う内容
・お互いに土地の所有者が変わってもこの書面は効力を有する内容
これが基本的な対応です。

②境界線上にあるブロック塀や万年塀
この場合は先ず(誰の所有物か?=誰が作ったか?)を隣地の方にも
確認します。
例えブロック塀でも工作物なので所有権があり、勝手に壊したりは
出来ないからです。
このブロックなどが仮に高さ6段(約120CM)以上あって、
倒れないような控え施工してない場合は建築基準法上NGとなります。
最悪は貴方の土地の買主さんが新築工事をしても完了時の検査を
通過せず、建物分の融資が下りない事も有り得ます。
なので、こういった違反工作物がある場合は所有者を確認の上で
解体撤去、又は高さをカットするなどの承諾を得る必要があります。

③隣地の樹木枝葉
地上の枝葉の越境は勝手に切ってはいけません。
この場合は隣地の方に切って貰うよう依頼するか、自分の方で
切っても良いかの承諾を得る必要があります。
原則としては隣地の方が越境解消の為に切らなくてはいけませんが、
中にはご高齢だったり作業自体が大変な場合はこちら側でカットして
解消という手段もあるからです。
ただ、枝葉は一旦切ったら止まる訳ではなく今後も有り得る事なので、
余りにも多い樹木の場合は『以後も越境している分はコチラの任意でも
切って良いか?』の確認をしておいた方が良いと思われます。
コレも同意書など取っておけばベストです。

越境問題は必然的に仲介会社が隣地の方との調整にあたりますので
法律や実務に精通した仲介業者に依頼した方が良いと思われます。