前回、売却に必要なモノの中に(意思)があったと思いますが、
皆さん不安な高齢者の場合どうなるか?について大まかに解説します。

まず、私が売主さんにお会いして会話をしますよね?
ココで会話が(うーん。ちょっと微妙かな・・・)と思ったら、
提携司法書士の先生に出向いて貰います。

何故、司法書士か?
それは所有権移転登記は司法書士の責任においてされるからです。

ご高齢者の場合に我々不動産屋も司法書士も一番怖いのは・・・
後から【売った覚えはない】とか【騙されて売却した】などの
異議申し立てをされる事。

要は認知症などでその時々で発言や意思が変わる状態では法律行為が
出来ないわけです。
その場合はいくら我々不動産屋やお子さん方が(大丈夫ですから!)
と言っても司法書士の先生は売却の手続きをやってくれません。
当然です、バッジが掛かってるんですから。

なので、私は契約前に司法書士の先生を売主さんのお宅に連れて行き、
先生に可否を判断して貰います。
先生は幾つか質問をして売主さんの意思能力を確かめます。
この場合の質問事項は先生にもよりますが・・・・
お名前は?・生年月日は?・干支は何ですか?・ご主人のお名前は?
・お子さんのお名前は?等の判って当然の事を訊きます。
その上で、〇〇にある不動産を売るんですね?という確認をします。

当社の先生は非常に慣れているので、ご家族の負担を考えてなるべく
本人対応で行けるように思案してくれますが、それでもダメな場合は
ご家族含めて保佐人、後見人の検討に入って貰います。

『それなら子である私が親の代理人でイイじゃない!』と思う方も中には
いらっしゃるでしょうが・・・
そもそも子供に委任するという行為が後から無効になる可能性があるんです。
何故なら意思能力に疑問がある訳ですから。

なので急かすつもりは一切ありませんが、保佐人や後見人選定にはそれなりに
時間も費用も掛かるので、仮に親御さんがご売却の意思をお持ちでしたら
なるべく意識のはっきりとした状態で早めに・・をお薦めします。

念の為、司法書士の先生がお宅訪問は弊社独自のサービスなので、
そこは勘違いされませんように。
飛び込み電話でも来て下さる先生もいらっしゃるでしょうが、
司法書士さんでもやはり得手不得手はあられるようです。