売却の相談で会ったA氏。
聞けば友人にお金を貸していて、その回収の為に友人宅を売却して欲しい
とのご意向。
非弁行為云々の詳細は割愛しますが、話の流れは以下。

A氏(50代男性 ⇒ B氏(A氏友人・40代男性) ⇒ C(B氏友人、
A氏とは無関係・推定40代)とお金が流れた。
AはBを信じ、BはCを信じ、要はAのお金はBを経由してCに行った。
Aは自営なので形式を整えた金銭消費貸借をBとは作成してあった。

予想出来ると思いますが、Cが飛んだ(普通の言葉では返済しないで
・・・逃げた)。
で、BがAにお金を返せない⇒Bの不動産を売却させて回収したい、
というご依頼。

当然所有者本人に会わないと何も出来ないので、B氏にも面会。
(こういう場合、当然にBとCの共謀性を疑います。)
B氏は非常に大人しく、且つすべて正直に答えて来ました。
借りたことも逃げられたことも認めて話の整合性もあるし、我々は意外と
嘘を見破る能力を自然に身に付けてます。
何よりも失礼ながら家内の様子をそれとなく、且つチョー詳細に観察、
(あ、こりゃ完全にB氏はCにやられちゃったな)と判断。
B氏はむしろ世間一般ではいわゆる(良い人)の部類に入ると確信。

問題なのはそこから先。B氏に状況確認を質問。
BとC間での金銭消費貸借契約書を見せて貰ったが・・・
借入日、借入金額、返済期日、金利、住所、氏名に認印の押印(だけ!)
Cの免許証は?【無い】Cの住民票は?【無い】Cの印鑑証明は?【無い】
Cの家に行ったことは?【無い】Cと共通の友人は?【いない】

え?これ(借用書)だけですか?

【いや、前から知ってて信用出来る人だったんで・・・】

うおーーーーーーーーーい、このCの住所も氏名も実在してるかどうか?
これじゃわからないですうううううううう(Cの虚偽記載の可能性アリ)

記載住所から法務局関係の資料を見ても怪しい。と言うか、スッゴク
遠くのスンゴイ山奥。
グーグルマップで見てもとても人が住んでる(住める)場所ではない。

それでも、やっぱりどこをどう見ても訊いても、Bは加担してないっぽい。
更には弁護士に依頼する費用も無さそう
(まあ、あってもこれじゃ受任されるかどうかだけど)

警察には?と訊いたが【Cを信じて行ってない】
う?(もう言葉が出ない状態)

Bは売却してAに返済する事には完全に合意しているので、やはり共謀性は
感じられない。ここから先はかなり込み入った話なので伏せますが・・・

【注意喚起でございます!】
お金が絡む場合はどんなに付き合いが長くてお世話になってる人でも
どんなに寝食を共にしようとも、最悪に備えておきましょう!

最悪に備えるというのは、金額が高額(人によって違うだろうけど
少なくとも100万単位)なら公証役場で執行受諾付きで
金銭消費貸借契約書作って貰うくらい。
費用は数万円掛かるけど、後から債務名義を取る手間とか弁護士入れるより
遥かに安いものですから。

仮に少額でも、免許証コピー、実印、印鑑証明原本、戸籍記載の住民票
くらいは取りましょう。
ホントの悪人はそれすら偽造しますが、そのレベルは滅多に居ないです。

そうじゃないと蓋を開けてみたら・・・
え?彼の名前は●●じゃないの?
あの辺りに住んでるんじゃないの? え? え? え?
どこの誰か解らない人にお金貸しちゃったよおおおおおおおおおおお~

って事態もあり得ますからね。だって・・・今回も実話ですよ?

特に情が厚い善人の親分肌の貴方! そう、そこの貴方!
残念ながら世間は貴方のように
(正直で必ず約束を守って、恩義は命がけで守って絶対に嘘をつかないし、
何があっても逃げない)
そんな人だけで覆いつくされてる訳ではありませんから。

ま、ホントは知人間の貸し借りは断る!ってのが正解なんですけどネ。